【撮影会】利根川・渡良瀬遊水地撮影会


【撮影会】利根川・渡良瀬遊水地撮影会

 

こんにちは!群馬大学医学部写真部です。

先日、利根川上流河川事務所さんのご協力のもと、利根川・渡良瀬遊水地周辺にて撮影会を実施しました。

 

私たちの通う群馬大学昭和キャンパスの付近を流れる利根川は大水上山を水源として関東地方を流れる流域面積日本一を誇る一級河川です。

 

今回は国土交通省 関東地方整備局 利根川上流河川事務所 流域治水課の方にお話を伺い、利根大堰(おおぜき)や越流堤などの施設を見学、撮影させていただきました。

 

まずは利根大堰や利根導水路について軽く説明をいただきました。

戦後の経済成長で首都圏の水が不足し、1964年の東京オリンピックを契機に利根導水事業がスタートしました。

この利根大堰から農業用水、水道用水、工業用水が取水され、首都圏の生活や産業が支えられているそうです。



↑埼玉県側から見た利根大堰。対岸は群馬県です。

 


利根大堰から取り入れられた水は、武蔵水路という用水を通り、一部は荒川に流れ込みます。その後秋ヶ瀬取水堰から再度取り入れられ東京都の飲み水などに利用されるそうです。

 

 

次に向かったのは渡良瀬遊水地ウォッチングタワーです。

その名の通り広大な渡良瀬遊水地を一望できる、高さ15.7mにもなるタワーです。




↑高床式で、外側に傾斜した太い柱により支えられています。

 



そもそも遊水地とは、大雨などによって河川が急激に増水した際に洪水を一時的に溜め、下流への被害を軽減する役割を持ちます。

渡良瀬遊水地は茨城・栃木・群馬・埼玉の4県にまたがり、1.7億トンもの水を貯留することができるそうです。つまり首都圏を含む関東の安全のために、なくてはならない存在です。

 

このタワーは周囲をヨシ原に囲まれており、内部ではヨシ原浄化施設の管理が行われているそうです。2012年にラムサール条約にも登録されたこのヨシ原は、本州以南最大のヨシ原であり、チュウヒを始めたとした貴重な鳥類の繁殖地としても役立っています。

ヨシ原を飛ぶチュウヒ

水辺に佇むカワウと飛ぶカモ

 

 

最後に向かった先は、第一排水門と越流提です。

 

渡良瀬遊水地には三つの調節池があり、洪水の調節をするための排水門が設置されています。

間近で見てみると、その迫力に圧倒されました。

三門が連なるこの排水門は、高さも幅も10mを越えます。




迫力ある排水門。

河川の水位が低い時に遊水地から排水します。

 

 

 

この第一排水門からすぐ近くに見えるのが越流です。

洪水で河川の水位が一定以上になった際、調節池に水を誘引する役割を持つのがこの越流です。堤防の中でもここだけは低くなっており、なおかつ流れ込む水に耐えるために全面がアスファルトによって舗装されています。

ちょっとした空港のようです。



手前と左右が坂になっています

埼玉県と栃木県の県境に位置します

 

 

 

日本最大の流域面積を誇る利根川。その水害から私たちを守ってくれている施設の数々。動植物を育む広大なヨシ原。これらの施設や自然の風景は、単なる景観ではなく、先人たちの努力と知恵の結晶でもあります。

 

そもそも利根川の治水事業は、江戸時代に徳川家康が江戸湾(現在の東京湾)に注いでいたものを、今の銚子へ流路を変える事業を行なったのが最初とされています。

丁寧に整備された遊水地などを見ると、治水事業は完成に近づいていると思ってしまいます。しかし、地球温暖化や異常気象による大雨や洪水のリスクが高まるなか、これからも様々な対策が求められると伺いました。私たちも治水を他人事とせず、身近な課題として捉えていく必要があるのではないでしょうか。

 

また、渡良瀬遊水地に流れ込む渡良瀬川には、かつて鉱毒事件がありました。さらに遊水地の建設に伴い移住を余儀なくされた人々もいます。こうした歴史にも目を向けていかなければなりません。

 

このように、普段あまり意識しない場所にも、先人の苦労や工夫が込められています。そして、それらを次世代により良い形で受け継ぐことは、私たちの責務でもあります。

今回の訪問を通じて、利根川と渡良瀬遊水地の歴史や現状を知り、改めて未来への課題について考える機会となりました。

 

 

この場をお借りして改めて、今回お世話になった利根川上流河川事務所の皆様に御礼申し上げます。

貴重な経験を本当にありがとうございました!









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